「ささらとつづみとSimutrans」の話 〜初心者への間口拡大を狙って〜
はじめに
本記事では、ニコニコ動画にアップロードした動画シリーズ「ささらとつづみとSimutrans」の製作時の裏話めいた何かを書いていきます。
本記事は、Simutrans Advent Calendar 2021(https://adventar.org/calendars/6286)18日目の記事です。
製作のきっかけ
2020年5月。世の中ではステイホームが叫ばれ、旅行の1つもできない大型連休は皆さんの記憶にも新しいことでしょう。
そんな中、ニコニコでゲーム動画を漁っていた私は、ある動画に出会いました。
この動画をはじめとする様々なCeVIO実況プレイ動画をきっかけに、CeVIOに、そしてさとうささら・すずきつづみ・タカハシの3人のキャラクターにハマっていくこととなります。
そんな中、政府からの10万円の給付金。気が付いたら買っていました。
まいにゅーぎあーしてる pic.twitter.com/Ywx7iZH3MU
— ボイチェビ実況を上げてる岡津 (@_okaz) 2020年6月8日
ちなみに、そんなCeVIO Creative Studioは3人の話し声とささらさんの歌声が付いてきて1万円ほど。皆も買おう!*1
動画のコンセプト
本動画シリーズを作る上で、「Simutransのチュートリアルとなる動画を作る」をコンセプトとしていました。これには2つの理由があります。
①「Simutrans初心者に向けた動画」が少ない
ダイナミックな(乱)開発、景観を意識した建設、実在地域を模した再現プレイ、自作アドオンによるオリジナリティ、緻密なダイヤ設定、バックストーリーの設定とロールプレイ……ニコニコ動画にアップロードされるSimutrans動画にはこういった要素のいずれかが含まれることが多いですし、そうしたこだわりのある動画を見るのは一視聴者として楽しく感じるものです。しかし、初心者の立場に立つと、こうしたこだわりがSimutransに対する敷居を高くするのでは、とも思っていました(元々敷居が高いゲームだろ、と言われるとそれまでですが……)。そこで、シムトラ未経験者がプレイするきっかけになるような動画を作りたいと考えました。
② 自分にできそうなことが「初心者向けの解説」くらいしかなかった
はい、正直言ってこっちの理由の方が大きいです。私自身はこれまで15年以上シムトラをやってはいるものの、景観にこだわったり、派手に開発したり……といったプレイングはできません。では自分に作れるものはなんなんだろう?というアプローチからたどり着いたのが解説動画という形態でした。
動画を作る上で心がけていたこと
先述したコンセプトを踏まえて、一番気を付けていたのは「初見の目線で動画を作る」という点です。具体的には……
動画内では説明なしに行動しない。どんな些細なことでも説明する。
初心者の方でも再現できるように、動画に映っていることは意図を含めて説明することを心がけていました。また、動画内で説明しきれないことはパワポ資料で補足。これに関してはタカハシの出番を作りたい、という思いの方が強かったですが。
前提知識を要求しない。
Simutrans動画はどうしても鉄道の知識ありきの内容になってしまいがちです。しかし、「経営SLGは好きだけど鉄道はそんなに詳しくない」という層にとってはハードルになるでしょう。本動画では、用語もなるべく詳しく説明するようにしていました。本当に前提知識のない方にとっては、これでもまだ不足していたような気もしますが。
ちなみに、車両系のアドオンを一切入れずにプレイしていたのもこの点に関連しています。どうしても馴染みのある車両を入れると、車両の話がメインになって鉄道の知識のない人を置いてけぼりにしてしまう気がしたので……。
順を追って要素を解説していく
最初は発電所の輸送、続いて簡単な産業や旅客輸送、そして複雑な産業チェーンと、解説する順番にも当然気をつけていました。また、自然な流れでそれぞれの要素を解説できるように、マップ内をどの順番で開発するかにもかなり気を遣いました。
また、もう一つ心がけていたのが「自分が楽しむ」という点です。例えば、毎度毎度ささらさんが歌ってたり、「ちゃーくりくー!」*2「めええええええっ」*3「まろやか」*4などとネタを輸入したり、といったあたりのことは完全に自分がやりたかっただけです。
動画製作というのは非常に労力を要する活動です。しかも、シリーズものとなるとモチベーションの維持が必要です。それでも、途中で失踪することなくシリーズを完結させられたのは、自分が楽しく動画を作れていたからというのが大きな理由だと思います。
動画に対する反応
一番心配していたのは、地味なゲームの地味な実況*5がどれほど再生されるか、というところです。特にこのシリーズは「はいドーン!」*6といった感じの派手な開発はありませんでしたし、他のSLGにありがちな「うめひじきー」*7とばかりに災害が発生したり、「じこはおこるさ」*8なんていった展開もSimutransにはありません。
そんな不安とは裏腹に、本シリーズでは再生・コメントなどなどをたくさん頂けました。また、途中からは広告を多く頂くようになって「いきなり!動画紹介」の影響でさらに再生数が伸びました。正直、クリックされてないのに再生数が伸びる仕様はどうなんだ、とも思いますが……。
特に動画に対する反応がコメントという形で頂けるのが本当に嬉しかったです。嬉しさのあまり可能な限りたくさんコメ返ししていました。
動画内でも毎度申し上げていましたが、本シリーズの動画に毎度多数の再生・コメント・マイリス・広告・いいねを頂き、本当にありがとうございました。この場でも改めてお礼申し上げます。
しかし、頂いたコメントの多くはSimutrans既プレイの方からの目線であり、最初に掲げたコンセプト通りに初見の方に届く動画になっているのか、という点はずっと気になっていました(動画内でも何度かつづみさんの口を借りて愚痴ってしまいました)。実際はコメントしていないだけでシムトラ初見の方もそこそこ多かった可能性もありますが……。まあ、視聴者の皆さまからの反応は自力ではどうしようもないところですし、気にしすぎるのはよくありませんね。
終わりに
軽い気持ちで始めた「実況動画」というジャンルでしたが、こんなに楽しいとは思っていませんでした。また、シングルプレイはどうしても早いうちに飽きが来るタイミングがあるものですが、今回はプレイと動画作りを交互に繰り返すことで1年以上の間飽きずにプレイし続けることができました。
本シリーズはマップ内の全都市を接続したところで終わっています。ここから混雑との戦いを繰り広げるのがSimutransの楽しみではありますが、解説することが無くなってしまい、これ以上続けるとこの動画シリーズのコンセプトから外れるという理由から完結としました。
続きを作りたいという気持ちはあるので、番外編という形で続編を作りたくはあるのですが……解説要素なしで見所のある動画を作れる自信がないのと、最終回でも匂わせている通り他に実況したいゲームもあるので、しばらくは作らないような気がします。というか、そんな予告も無視してすでにコスプレして音ゲーするやつやら日本のどこかに飛ばされるやつやら幻想郷に行くやつやら寄り道しまくってるわけですが……。
まとめ
・ひょんなことからCeVIOにハマったので動画を作り始めた
・「チュートリアル」をコンセプトに動画を作った
・初心者目線での動画作りを心がけた
・コメントがいっぱいもらえて楽しかった
・解説することがなくなったのでSimutrans動画はしばらくお休み
・ささつづはいいぞ
おまけ
いつかネタに使おうと思ってたけど結局日の目を浴びなかった駅名。正直弦巻温泉がやりたかっただけ
【オンゲキ】「奏坂ライトレール」を考える
【オンゲキコラボでんこ発表!】
— 駅メモ!公式 (@ekimemo) 2020年2月8日
先ほど、「JAEPO 2020」セガ・インタラクティブブースにて、コラボでんこが発表されました✨
「ASTERISM」と「⊿TRiEDGE」の計6キャラがでんこになって登場(灬º 艸º灬)
コラボは2月21日より開始です!もう少々お待ちください♪
#駅メモ #オンゲキ pic.twitter.com/SeheUvq6Pi
オンゲキと駅メモのコラボが目前に迫っていますね。どちらのゲームもそこそこやり込んでいる自分としては割と期待しています。(オンゲキ側は特に何もやらなさそうな気もしますが……)
さて、そんなオンゲキですが、鉄道要素があることにお気付きでしょうか?
それが、「最強 the サマータイム!!!!!」のPVの50秒付近に出てくるこちら。
【オンゲキ SUMMER】メインテーマ『最強 the サマータイム!!!!!』PV
というわけで、この描写をもとにいろいろと考察(という名の妄想)をしてみます。
車両について
まずは、車両の行き先表示の付近を見てみましょう。
画質が落ちてしまって見づらいですが、行き先表示の下に「KANADEZAKA CITY / KANADEZAKA LIGHT RAIL Inc.」と書いてあるようです。また、「KLR」の3文字を図案化したロゴが各所に見られます。
このことから、この路線は「奏坂ライトレール」という名前であると考えられます。「ライトレール*1」とは、平たく言えば「次世代型の路面電車」のようなものです。
現在、日本でライトレールを名乗っているのは「富山ライトレール」のみ*2であり、これを車両のモデルにしていると思われます。*3
続いて車両の中について見てみます。座席同士が向かい合った、いわゆるボックスシートという形です。注目すべきは、窓際にあるドリンクが置けるミニテーブル。長距離を走ることを想定した車両に設置されていることが多いですが、路面電車タイプの車両では極めて珍しいといえるでしょう。また、座席の近辺には手すりや吊り革の類が見えないことから、あまり立ち客を想定していないように見えます。以上のことから、この車両は観光利用を意識して設計されていると考えられます。
路線について
路線の設備についても考えてみます。フロントガラスには鉄道用の信号が映り込んでいます。もしも路面電車ならば道路上の信号に従って走るため、少なくともこの区間は道路とは独立した線路を走っていることになります。*4
また、信号が3色になっているのもポイントです。詳しい説明は省きますが、一般に鉄道の黄色信号は「時速40km以下*5で走れ」、青信号は「それ以上で走ってもよい」という意味です。黄色信号があるということは青信号と区別する必要がある、つまり最高速度がそこそこの速さであることがわかります。
駅設備について
次は駅の設備について見てみましょう。
路面電車にしてはホームがかなり広いように見えます。また自動販売機もありますね。しかも、近年JR東日本グループで設置が進められているタッチパネル式自動販売機のような見た目です。
これだけの設備があるということは、そこそこの利用客がいると考えられます。もしかしたら、奏坂学園の最寄駅のため、通学ラッシュ対策で広くしているのかもしれません。
次に、発車標*6を見てみます。クリアなデザインで、かなりスタイリッシュ……なのはいいですが、裏面の表示が透けて視認性が非常に悪いですね。おかげで何が書いてあるかをここから読み取ることは困難です。
右側のホームも見てみましょう。左側のホームとは屋根のデザインが違いますが、広さは同程度といったところでしょうか。割とお金がかかっていそうです。
また、こちら側のホームには駅名標*7が見えます。黒地に白、漢字で駅名が大きく書いてあり、「奏坂公園」と読めます。下には水色の帯があり、前駅・次駅の駅名が書いてあるようです。下のスペースのうち、黄色の地の部分は出口案内と考えられますが、それ以外の部分は読み取れません。
このデザインですが、JR西日本の大阪環状線のインフォメーションボードにそっくりです。
このことから、残りの部分には時刻表や路線図が書かれていると考えられます。
……ということを踏まえて、なんとなく再現してみました。*8路線図はかなり適当ですが……。
国立歴史民俗博物館に行ったら時間が足りなかった
ふとした思いつきで、千葉県は佐倉市にある「国立歴史民俗博物館(通称:歴博)」に行ってきたら、あまりの充実っぷりに回りきれなかったというお話。
きょうは歴博に来ました(入るまでが長い pic.twitter.com/KxMc7bkm2F
— 例大祭:ひ05bの岡津 (@_okaz) 2020年1月25日
アクセス
佐倉は成田空港の少し手前にある町。成田空港に向かう電車に乗って都心から1時間くらいで着きます。*1
歩いて行こうとすると、京成佐倉駅からは20分、JR佐倉駅からは30分ほどかかる上に上り坂もきついので、大人しくバスに乗るのが賢明かと思います。
概要
内部は時代順に第1展示室から第6展示室までに分かれています。詳しくは公式ページをどうぞ。
パンフレット曰く、「ゆっくりひとまわりで1時間30分〜2時間程度」とのことですが、わたしは午後いっぱいかけて半分しか見られませんでした。
展示内容
第1展示室(古代)
第1展示室は、旧石器時代から弥生時代までの展示。リアルな模型が数多くあり、目を引かれます。史料が少ない分、多くを製作者の想像で補っているのでしょうが、それでもこうした展示があると暮らしぶりのイメージがより容易になりますね。
石器を作る男性と、石器作りに失敗しちゃって涙目な男の子。微笑ましい。
ご飯が待ちきれない女の子と、まだ熱いからとそれを止める女性。微笑ましい。
個人的に驚いたのが、縄文時代にはすでに漆器があったという技術レベルの高さ。かなり加工に手間がかかるのに。
ねこ。名前はまだない。
建物を模した埴輪。この頃の土木・建築技術が伺えます。そういえば袿姫様ってこういう非生物も作れたりするんでしょうか。
……といった具合に写真をパシャパシャ撮りながらじっくり見ていたところ、なんと第1展示室だけで1時間半も使ってしまってびっくり。閉館時間まではあと2時間しかありません。というわけでここから先はちょっと巻き気味です。
第2展示室(中世)
リニューアルされたばかりの第1展示室とは対照的に、第2展示室は一昔前のちょっと懐かしい雰囲気がありました。
経本の木版を作っている様子。単に本を見るよりこういう展示の方が当時の人々の苦労が伝わってきますね。写真は載せていませんが、写経を行う人々の暮らしぶりの展示も面白かったです。
瀬戸内の港町から出土した品々。当時は海運が物流の大動脈だったんだなあと思うと同時に、素朴な生活用品の数々に庶民の暮らしを感じたり。
一乗谷の武家屋敷や町人の屋敷の模型。ブラタモリで見たぞ、と思うと同時に身分の差が現れているなあと思いました。
都の様子の模型。人々の暮らしが感じられるような作り込みで、その気になればいくらでも眺めていられそう。
牛車の事故。わざわざこんなシーンを絵にするあたりに昔の人のユーモアを感じます。
第3展示室(近世)
第3展示室は近世、江戸時代の展示。この辺りまで来ると現代にも通じるところがあってなんとなく親近感が湧きます。言葉遣いもだいぶ現代に近付いていますし。
江戸の街、江戸橋から日本橋にかけての様子を再現した模型。この模型も相当細かく作られているので、次来たときはもっとじっくり眺めたいところ。
生活用品を見ると現代でも普通に使われているものばかりで、想像がつきやすい。
見世物小屋に置かれたという、「海産物で仏像を再現してみた」。こう書くと動画投稿サイトに上がっている動画っぽい響き。
エンジニアとしてはからくりの技術も気になるところ。歯車の歯の片側に切り欠きがあるのは経験知によるものなのでしょうか。実はちゃんと動く歯車を作るのって相当な技術が必要なんですよ。
解体新書に基づいて作られた人体模型。これが信濃の農村で作られたということは、江戸から各地への文化の広がりは予想以上に凄かったんだなあと感じました。
神社仏閣を紹介する絵図。こうした図は鳥瞰図ばかりのイメージがあったので、上にあるような真上からの視点の図はかなり新鮮でした。
ここで閉館時間が間近に迫ってきたので泣く泣く撤退することとなりました。
思ったこと
展示を見ながら、2点の気付きを得ました。1つは、わたしは社会の動きよりも庶民の暮らしの方が好きだなあということ、もう1つは、無意識のうちに現代と比較しながら解釈しているんだなあということ。そういう意味では、人々の暮らしに着目した展示の多い歴博は非常に楽しかったです。
あと、国立の施設なだけあって、日本全国を比較的満遍なく取り上げているのもいいなあと感じました。
今回はたっぷり3時間半かけて半分しか回れなかったので、近いうちに近現代の展示を見にリベンジしたいところです。でも横浜から佐倉って遠いんですよね……
長文が書きたくなったのでブログを始めました
社会人になって以来、なんとなく長文を書きたい気分のことが多かったので。リプライでいっぱい繋いでツイートするのも迷惑かなあと思いますし。
あとは、せっかく新年なので何か新しいことをやりたいなあというのも理由の1つだったり。
肝心のブログの内容ですが、140字じゃ足りないことをこっちに書いていくつもりです。具体的には決めていませんが、旅行のまとめとかが中心になるのかなあ。更新頻度は低めだと思いますがよろしくお願いします。