国立歴史民俗博物館に行ったら時間が足りなかった
ふとした思いつきで、千葉県は佐倉市にある「国立歴史民俗博物館(通称:歴博)」に行ってきたら、あまりの充実っぷりに回りきれなかったというお話。
きょうは歴博に来ました(入るまでが長い pic.twitter.com/KxMc7bkm2F
— 例大祭:ひ05bの岡津 (@_okaz) 2020年1月25日
アクセス
佐倉は成田空港の少し手前にある町。成田空港に向かう電車に乗って都心から1時間くらいで着きます。*1
歩いて行こうとすると、京成佐倉駅からは20分、JR佐倉駅からは30分ほどかかる上に上り坂もきついので、大人しくバスに乗るのが賢明かと思います。
概要
内部は時代順に第1展示室から第6展示室までに分かれています。詳しくは公式ページをどうぞ。
パンフレット曰く、「ゆっくりひとまわりで1時間30分〜2時間程度」とのことですが、わたしは午後いっぱいかけて半分しか見られませんでした。
展示内容
第1展示室(古代)
第1展示室は、旧石器時代から弥生時代までの展示。リアルな模型が数多くあり、目を引かれます。史料が少ない分、多くを製作者の想像で補っているのでしょうが、それでもこうした展示があると暮らしぶりのイメージがより容易になりますね。
石器を作る男性と、石器作りに失敗しちゃって涙目な男の子。微笑ましい。
ご飯が待ちきれない女の子と、まだ熱いからとそれを止める女性。微笑ましい。
個人的に驚いたのが、縄文時代にはすでに漆器があったという技術レベルの高さ。かなり加工に手間がかかるのに。
ねこ。名前はまだない。
建物を模した埴輪。この頃の土木・建築技術が伺えます。そういえば袿姫様ってこういう非生物も作れたりするんでしょうか。
……といった具合に写真をパシャパシャ撮りながらじっくり見ていたところ、なんと第1展示室だけで1時間半も使ってしまってびっくり。閉館時間まではあと2時間しかありません。というわけでここから先はちょっと巻き気味です。
第2展示室(中世)
リニューアルされたばかりの第1展示室とは対照的に、第2展示室は一昔前のちょっと懐かしい雰囲気がありました。
経本の木版を作っている様子。単に本を見るよりこういう展示の方が当時の人々の苦労が伝わってきますね。写真は載せていませんが、写経を行う人々の暮らしぶりの展示も面白かったです。
瀬戸内の港町から出土した品々。当時は海運が物流の大動脈だったんだなあと思うと同時に、素朴な生活用品の数々に庶民の暮らしを感じたり。
一乗谷の武家屋敷や町人の屋敷の模型。ブラタモリで見たぞ、と思うと同時に身分の差が現れているなあと思いました。
都の様子の模型。人々の暮らしが感じられるような作り込みで、その気になればいくらでも眺めていられそう。
牛車の事故。わざわざこんなシーンを絵にするあたりに昔の人のユーモアを感じます。
第3展示室(近世)
第3展示室は近世、江戸時代の展示。この辺りまで来ると現代にも通じるところがあってなんとなく親近感が湧きます。言葉遣いもだいぶ現代に近付いていますし。
江戸の街、江戸橋から日本橋にかけての様子を再現した模型。この模型も相当細かく作られているので、次来たときはもっとじっくり眺めたいところ。
生活用品を見ると現代でも普通に使われているものばかりで、想像がつきやすい。
見世物小屋に置かれたという、「海産物で仏像を再現してみた」。こう書くと動画投稿サイトに上がっている動画っぽい響き。
エンジニアとしてはからくりの技術も気になるところ。歯車の歯の片側に切り欠きがあるのは経験知によるものなのでしょうか。実はちゃんと動く歯車を作るのって相当な技術が必要なんですよ。
解体新書に基づいて作られた人体模型。これが信濃の農村で作られたということは、江戸から各地への文化の広がりは予想以上に凄かったんだなあと感じました。
神社仏閣を紹介する絵図。こうした図は鳥瞰図ばかりのイメージがあったので、上にあるような真上からの視点の図はかなり新鮮でした。
ここで閉館時間が間近に迫ってきたので泣く泣く撤退することとなりました。
思ったこと
展示を見ながら、2点の気付きを得ました。1つは、わたしは社会の動きよりも庶民の暮らしの方が好きだなあということ、もう1つは、無意識のうちに現代と比較しながら解釈しているんだなあということ。そういう意味では、人々の暮らしに着目した展示の多い歴博は非常に楽しかったです。
あと、国立の施設なだけあって、日本全国を比較的満遍なく取り上げているのもいいなあと感じました。
今回はたっぷり3時間半かけて半分しか回れなかったので、近いうちに近現代の展示を見にリベンジしたいところです。でも横浜から佐倉って遠いんですよね……